映画から💃

インスタで目に入ってきた動画があった。
カルロス・サウラ監督のアントニオ・ガデス「カルメン」の練習風景のシーンの一部。

☝️画像拝借しました。



伝説の踊り手ガデスのドスの聞いた声から繰り出される言葉が記されてて、何だか懐かしくなった。
赤線引いてみたけど、、
「下を見るな/走るな(リズムが)/プランタ!/動くな/腎臓上げろ/...」

そう、わたしが留学していた時代のマドリッドのスタジオには、まだ微かにこんな景色が残っていた。
もう少し前の世代はガチでこんな感じだったと聞く。先生はみんなマエストロ達で厳しく、威厳と品格が備わって、場には秩序があった。

列になって、下手な人は後ろ。前に出たら下げられる。エコ贔屓は当たり前(笑)下手な人は見向きもされない。話しかけてなんてくれない。
ビシッとした緊張感があって、みんな物凄い真剣で。
情報も今のように無い時代。何かを習うってことの態度から姿勢から、手取り足取り教えてもらうのではなく(そんなことスペイン人はしない笑)、その場で掴むしかなかった。



スペインのスタジオも時代と共に変化してるし、わたしはマドリッドでしかレッスン通ってないので他は知らないけど、
いつ頃か私達のような外国人の参加が増えるにつれ、生徒の入れ替わりが頻繁に、いわゆるビギナーが多くなり秩序も保てなくなったとこもあると。
簡単に人に習える時代になったので、礼儀や敬意も持たない参加者も中にはいて「学ぶことをしない人が増えた」と嘆くマエストロもいた。
もちろん、世界中でフラメンコが楽しまれてることでもあるのでウェルカムな姿勢は変わらずです。


わたしは全盛期から少し離れた世代(…留学した年齢が遅かった)だったので、
めっちゃ厳しい時代にリアルにはいなかった。
残り香はあったけど。
でも、マエストロ達が未だクラスをしている時代ではあったので、
その存在に触れられたのは幸運だったね!と
留学時代の仲間と時々話している。




⬇️YouTubeに同じシーンが載ってたので見てみてね。



近年、日本でクルシージョを受けてても、アーティスト達は指導も人柄もより洗練されている。
世界中飛び回ってるので、重くないし、親しみや愛情、ポジティブなエネルギーが大きい。
怒鳴ったり、怒ってスタジオ出て行く先生(笑)は滅多にいない。←私は嫌いではない😂
踊り手の先輩とそんな話題になった時「ちゃんと教育をされてるから」と。
“教育”って、一言で表してるけど深い言葉ですね🧐


映像は物語の一部だし、作品なので、
日頃、自分たちが触れてるフラメンコとは違うモノだとは思いますが、
こういう流れもあって、今の私たちが見れるフラメンコの世界があること、ルーツの片鱗を知っていると捉え方・観え方も変わったりします。



時代は大きく変わり価値観も様々ですが、
『節度』は大切だと、「品」とも云うのでしょうか、個々の中にその境界は崩さず持っておきたいと。
最近お話しする機会があったフラメンコの先輩との会話からも改めて思いました。






Studio Larachi

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